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〜迷っても悟っても仏さまの中〜

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立正安国論を学ぶ 総集編privacy policy


 『立正安国論』の内容は、旅客の九つの問と、それに答える主人の九つの答え、そして第十番目の旅客の領解から構成されています。最後に総集編として要約しておきましょう。

第一問(旅客)
近年の、この鎌倉の激しい天変地夭の原因は何か。
第一答(主人)
この国に、正しい思想信仰が失せ、邪な思想信仰が蔓延したからだ。

第二問(旅客)
どの経典に、その事が書かれているか。
第二答(主人)
金光経・大集経・仁王経・薬師経の四経から六つの文を示し、国中の謗法の罪によって、善神は国を捨て去り、国中に悪鬼が充満して災難を致す、と有る。

第三問(旅客)
この国の仏教は隆盛であり、正しい思想信仰は失われてはいないのでないか。
第三答(主人)
仁王経・涅槃経・法華経の文を引き、外形は正善であるが内実は邪悪である。この邪悪な教えを広める僧侶を戒めなければならない。

第四問(旅客)
誰が悪い僧侶なのか。
第四答(主人)
それは法然である。法然は『選択集』で、仏教の基本である一代五時の教相を無視して、正法を、捨・閉・閣・抛、と誹謗したから、数十年の間に百千万の人々が仏教に迷って、邪法を信じてしまった。

第五問(旅客)
現在の災難を、なぜ法然の『選択集』とするのか。
第五答(主人)
法然の邪法が国内に蔓延し、諸経・諸仏の怨敵と、聖僧・衆人の讐敵が遍満する原因となったからだ。

第六問(旅客)
仏教者が政府に勧状を出したり、上奏をする事は、先例のない暴挙ではないか。
第六答(主人)
先例は有る。近くは延暦寺・興福寺からの奏上で、勅宣、御教書が申し下されて、法然の『選択集』の版木が破却された事も有る。

第七問(旅客)
この近年の災難を退治する方法は何か。
第七答(主人)
謗法の人を禁断して、正道の僧侶を重用すれば天下泰平に成る。その手段として、涅槃経・仁王経・法華経の文を引用して、邪法を広める僧の命を断つか、その布施を禁止するか、という二つの方法があると示す。

第八問(旅客)
この二つの方法の内、いずれが良いか。
第八答(主人)
布施を禁止する方法が良いだろう。

第九問(旅客)
法然の『選択集』が原因で諸仏・諸経・諸菩薩・諸天が捨閉閣抛され、善神がこの国を去って災難が起こった事が良く理解できた。
第九答(主人)
邪法を早く退治しなければ、天変地夭・飢饉疫病の外、内乱と外寇の二難を招き、死後は無間地獄に堕ちるでしょう。信仰を改めて、法華経を帰依すれば国家も民衆の心も安穏となりましょう。

第十領解(旅客の領解)
私も正法を誹謗した罪を覚りました。速やかに信仰を改めて正法を信仰し、現世の安穏と後生の善処を願いましょう。そして、他の人々にも誤った信仰を改めましょう。